2009/09/12

「ドレスデン」

映画「ドレスデン 運命の日」(2006年制作)
ドイツ制作ドキュメント「ドレスデン大空襲」(2005年制作)


第2次世界大戦末期の1945年に起きたドイツ・ドレスデンの空襲に関する映像を2本見た。
いずれもCSで放送されていたのを録画してあったもの。
恥ずかしながらドレスデンの空襲の事を知ったのは、去年読んだカート・ヴォネガット「スローターハウス5」で。


映画の方を先に見た。
最初は裕福層の戦時中の安っぽいラブストーリーかと思ってガッカリしながた見てたんだけど、空襲が始まる前から緊張感が高まってきた。

空襲のシーンは衝撃的で、火の中を逃げ惑う人々、地下に避難したものの一酸化中毒で死んでしまう者…助かったと思ったら第二波の空襲があり、火の上がる町を彷徨いあるく人々…空襲の激しさを知るのに充分な迫力だった。


日本は木造の建物が多かったから、全部燃えて焼け野原になってしまうけれど、石造りの建物が多いドイツは瓦礫の山と化してしまう。
どの建物にも地下室があって、繋がっているというのも初めて知った。

一方方向からの視点ではなく、裕福な者、貧しい者、ユダヤ人、イギリス人、ドイツ人とそれぞれの視点から偏りなく描いていたと思う。

エンドロールの前に、爆撃60周年の記念式典の様子が写っていた。破壊された教会を建て直し、その一部にイギリスから和解の印として贈られた塔の十字架が掲げられていた。

日本と違って地続きのヨーロッパは民族間の感情や国同士のいさかいも複雑なのだろうと思う。
見終わってから知ったのだけれど、戦後、ドイツは加害国としての立場で向かい合ってきたため、ドレスデンの映像化はなかったそう。これは意外だった。

日本で作られた安っぽい戦争のドラマや映画が恥ずかしくなる。
日本でこれだけの映画が作れるだろうか。


続いてドキュメント映像。

生き残りのドイツ人(主に当時8歳~22歳くらいの人たち)、イギリス兵のインタビューと回想映像や当時の映像での構成。日本でいうとNHKスペシャルのような感じか。

映画で見たものを検証しているかのような感じで、このシーンはこういう事だったのか、と理解が深まった。(例えば、火災旋風という現象は酸素が大量に炎の方に導かれるため、周りにあるものが炎に引き寄せられてしまう。ヒロインが炎の方に引きずられるシーンがあった。
また、地下室は、壁の薄い部分を壊すと隣と繋がると言っていた。)

史実に沿った映画とはいえ、やはりドキュメントの方が真に迫る。
続けて見たことで理解がより深まった。

憎しみよりも深い悲しみ、傷が残っていると言っていたのが印象深い。
当時幼かった彼らが受けた心の傷はいかほどのものだったか。




世界から争いがなくなることなないのだろうか。
このような悲劇を繰り返しても、まだ分からないのだろうか。
私たちが出来ることは、過去を知り、過ちを繰り返さないように平和を祈るのみだが、その力は小さくないと信じている。

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