2009/03/08

ゆきゆきて、神軍

この映画の存在を知ったのは、かれこれ17,18年前のこと。高校生の頃だったと思う。
大好きなDEAD ENDというバンドのMorrieが雑誌のインタビューで、お薦めの映画を何本かあげていて、その中のひとつだった。
あげられていた他の映画は何本か見たんだけど、これは見る機会がなくて。

ここ数年、太平洋戦争関連の書籍や映像に関心を持つようになり、気になったものはすぐさまチェックするようにしている。
「ゆきゆきて神軍」が早稲田松竹で一週間上映される事を知って、さっそく行って来た。
偶然にもその日はMorrieの誕生日だった!


<内容>
1982年、兵庫県神戸市。妻・シズミと二人でバッテリー商を営む奥崎謙三は、ニューギニア戦の生き残りであり、69年に、死んだ戦友の怨念をこめて“ヤマザキ、天皇を撃て!”と叫んで天皇にパチンコ玉4個を発射した男である。奥崎はニューギニアの地に自分の手で埋葬した故・島本一等兵の母を訪ね、彼女をニューギニアの旅に連れていくことを約束した。
奥崎の所属部隊・独立工兵第36連隊で、終戦後23日もたってから“敵前逃亡”の罪で二人の兵士が射殺された事件があったことを知った奥崎は行動を開始した。その二人の兵士、吉沢徹之助の妹・崎本倫子、野村甚平の弟・寿也とともに、処刑した五人の上官を訪ね、当時の状況を聞き出す。
だが、それぞれ、処刑に立ちあったことは白状したものの、ある者は空砲だったと言い、ある者は二人をはずして引き金を引いたと言う。いったい誰が彼らを“撃った”のかは不明のままだった。さらに彼らは飢餓状況の中で人肉を食したことをも証言するのだった。やがて、二人の遺族は奥崎の、時には暴力も辞さない態度からか、同行を辞退した。奥崎はやむを得ず、妻と知人に遺族の役を演じてもらい、処刑の責任者である古清水元中隊長と対決すべく家を訪ね真相を質す--。
一方、奥崎は独工兵第36部隊の生き残り、山田吉太郎元軍曹に悲惨な体験をありのままに証言するように迫る。
そして--1983年12月15日、奥崎は古清水宅を訪ね、たまたま居合わせた息子に銃を発射、2日後に逮捕された。3年後の86年9月18日に妻・シズミが死亡。87年1月28日、奥崎は殺人未遂などで徴役12年の実刑判決を受けた。 (キネマ旬報 DBより)


これを読んだだけでも凄まじい内容だけれど、映画を見る前に事細かに解説しているサイトを見てしまい↓、それでも映画を見に行きたい!と思わされる強烈な吸引力があった。

http://www.st.rim.or.jp/~r17953/impre/Movie/OKU_1.html


奥崎を擁護したり称える気は全くない。
人を殺めたり、暴力によって混乱を招いたりするのは許しがたい事。
彼の言動もキチ●イじみているが、亡くなった戦友のお墓参りで涙したり、激高したかと思いきや、穏やかに話し始めたりと、全くもってつかみどころがなく、引き込まれてしまったのは事実。

あと興味深かったのが、奥崎が尋ねていった元上官たち。
アポなしでいきなり家やら職場に来られて、当時の事を話せ!と追求されても、「もう何十年も前のことを今さら…」とウンザリしている様子がリアル。

追求されても、固く口を閉ざし語ろうとしなかった彼らが、奥崎に罵られ、殴られ、喧嘩のあとは友情が…って程ではないけれど、ポツリぽつりと話し始める。
彼らも人に語れない重いシコリを、ずっと抱えていたのだなと感じた。

興味のない人にはつまらなく、嫌悪感を抱くような映画だろうし、人に勧めにくい映画だけれど、機会があったら見て何か感じて欲しいな、と思う。
今まで見た戦争関連の映画やドキュメンタリーのどれにも似ていない、強烈なインパクトと思わず苦笑いしてしまうムチャぶりな映画。

監督もよくぞ奥崎のムチャな要求に負けず、この映画を完成させたなぁと。
これがホントのドキュメンタリーなんだろうな。

ちなみに奥崎は2005年に亡くなってます。

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