2008/06/08

「ヒトラーの贋札」

第二次世界大戦中、ドイツのユダヤ人強制収容所の一画で秘密裏に行われていたのが“ベルンハルト作戦”と呼ばれるイギリス経済を混乱させる為の贋札製造計画。贋造を強制させられたユダヤ人技術者たちの苦悩が描かれている。作戦が成功すれば家族や同胞を苦しめる事になるし、贋札が出来なければ、仲間共々殺されてしまう…。
実際に強制収容所で贋造に携わった印刷技師アドルフ・ブルガーの原作を元に作られた作品。



公開したらすぐに見に行こうと思ってたのに見逃してしまい、諦めていたところ、公式サイトのスケジュール後半に、近所の映画館での上映があった。
「キネカ大森」 http://www.cinemabox.com/schedule/omori/

この映画館、ジョン・シーナの映画を見に行ったことがあるんだけど、かなり狭い。 スクリーンとの距離が近いので、汚れなどが気になってしまう…。が、椅子は新しいようで座り心地は悪くない。この映画館、西友の中の飲食店と同じフロアーにある。そしてこの西友、老朽化してるのもあるけど、垢抜けていなくて地方都市の中型スーパーみたいな寂れ具合…と思ったら、キネカ大森は1984年にオープンした、日本初のシネコンだと!むむっ、歴史があるんだね。

さて、
今までいくつかの”戦争映画”を見てきたが、映画用に脚色されているにしろ、このような事が行われていたという事実が重い映画だ。
映画を見終わった後って、映画の感想をすぐに語りたくなるんだけど、この日は口を開く事が出来なかった。何故か分からないけど涙腺が緩んでしまい、夜空を見上げながら家まで歩いた。

強制収容所に入った時点で生きて帰れない殺されるという絶望的な気持ち。生き残りたいという気持ち。家族を想う気持ち。ナチスを憎いと想う気持ち。このような状況下で自分の正義を誇りをもって貫くことなんて出来るだろうか。目の前で仲間が銃殺されたり、虐げられたりする中で、自分を見失わずにいられるだろうか。

あの戦争について、真実を知りたいと思うようになったのは、日本は被爆国で敗戦国でたくさんの人が亡くなった…という被害部分しか知らず、核心や他の国の被害を知らない(知ろうとしていなかっただけかも)と気付いてから。
戦争を体験した人の手記や体験談、体験を交えたフィクション小説、映画などを通じて日本が何をしてきたのか、あの戦争はなんだったのか、という事を少しづつではあるが学んできた。この映画も原作を読んでみたい。

ドイツはこの映画で自国の悪行をさらけ出しているが、日本は過去の過ちに対して、まだオープンでないように思う。平和国を掲げるならば、過去についてみんながもっと知る必要があるのでは。

人間って愚かだな…とこの映画を見て感じた。未だに争いの絶えない地域もあるし。世界が平和になることは不可能なのだろうか。
ちょっと凹んだ心に、劇中で流れたタンゴの調べが、切なく優しく響いた。

公式サイト:http://www.nise-satsu.com/

ヒトラーの贋札@映画生活

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